“攻めのIT”と“守りのIT”で実現すべきこと
2022.02.07
◆“攻めのIT”と“守りのIT”とは
DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進される中で、今後、更に生産性向上など重要性を増すIT投資。
システム開発やITツールは高額がゆえに、経営者がその重要性を理解していなければ中々踏み切れないかもしれません。中長期的な企業価値の向上や競争力の強化のための“攻めのIT”とそれとは反対にコスト削減や人材不足解消につながる“守りのIT”について考えてみましょう。
“攻めのIT”とは、売上を上げるための新たな仕組みなど、利益や価値を現状よりも増やすためのシステム導入と考えられます。例えば、店舗での販売を主軸としていた企業がEC事業に販路拡大をする場合、これは新たに改革する意味で“攻めのIT投資”と位置付けられるでしょう。
“守りのIT投資”とは、コスト削減や業務フローの改善をすることで非効率な作業をなくすことを目的として行うシステム導入です。例えば、Excel管理や手作業で大幅な工数がかかっている非効率な業務をシステムという手段で効率化させていくことは、守りのIT投資にあたります。これまでと大きく変えるというよりは、現状を良くすることで改善させることを目的とするのが守りのIT投資といえるでしょう。
◆“攻めのIT”と“守りのIT”はどちらが優先?
単刀直入に言うと、守りのITが実現できていない状態でいきなり攻めのITを進めていくのは無理があるといえるでしょう。非効率な業務をなくし基盤を固めた上でなければ、攻めのIT投資をしても、その効果は十分に発揮できなくなってしまうからです。
守りのITに分類される基幹システムがブラックボックス化していたり、現行業務に則していないためにシステム外でExcel管理することが多くなっているといった状況で、ITで新たな改革をすることを推し進めるのは無理があります。そのため、企業が現状をきちんと把握した上で優先すべきIT投資はなにかを判断していく必要があります。
売上増加を目的とする“攻めのIT投資”とコスト削減を目的とする“守りのIT投資”では、目的が大きく異なります。“2025年の崖が影響するものとは” でお話したように、システムに起こりうる問題・課題を段階的に解消して、DXを進めることを考えると、2025年の崖を前に、“守りのIT投資”をしっかり検討・対応していく必要があるでしょう。
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