システム開発 内製派?外注派?
2016.05.30
システム導入を検討されている企業様にとって、まず、大きな選択となるのがシステム開発を“内製するor外製する”です。
社内でシステムの開発・運用をする、内製派? それとも、 外部のシステム会社に開発・運用を委託する、外注派?
まずは、それぞれのメリット、デメリットを整理してみましょう。
■内製派
【メリット】
・キャッシュアウトしない
・業務内容を理解した上でシステム構築が可能
・システムの追加や改修が必要となった場合でも、コストをかけず自社内で対応ができる
・社内の仕様や業務ノウハウを社外に開示しなくて良い
・軽微な調整や修正作業がスピーディーに対応できる
・自社の管理基準や管理レベルでシステムの運用が可能
【デメリット】
・根本的に、システム関連の業務は本業ではない
・社内にシステム担当者が必要=人件費がかかる
・担当者の離職リスク=情報漏洩、責任問題、ブラックボックス化
・担当者の高齢化=いつまでも同じパフォーマンスで対応ができない、技術レベル低下
・技術レベルの維持、向上が難しい
・サーバーなどインフラ設備の管理、維持、保守コスト
■外注派
【メリット】
・システム構築、運用、保守の専門企業が作業を行う
・BtoBの取引によって、然るべき責任関係のもとでシステムを構築
・自社でシステム担当者の雇用が不要
・技術力が維持されており、システム構築のノウハウがある
・保守性が高く、データのバックアップなどの委託も可能
・サーバーインフラの管理・委託も可能=自社内にサーバールームが不要
【デメリット】
・システムの追加や改修の度に費用が発生する
・追加、改修の際、即作業が進められない(見積もりが発生)
・システム開発会社が倒産するリスクがある
・自社の業務仕様や業務ノウハウを社外に開示しなければならない(守秘義務契約のもと)
・保守フェーズで担当者の変更が多い場合、業務内容などの説明が大変
・パッケージシステム+カスタマイズの場合、バージョンUPで多額の費用が発生する
まだまだ考えれば、色々あると思いますが、導入を検討している側の企業の代表であれば、以下のように考えるのではないでしょうか。
会社が起業して間もない1~3年目までは、資金的にも余裕がないので、一般的なパッケージソフトやフリーのソフトなどで運用します。もしくは、システム関連の知識が豊富なボードメンバーで内製します。
3年目以降に中堅企業規模になれば、内製で開発したシステムの仕様と業務フローを最適化した状態で外注し、システム構築を依頼します。また、保守やインフラ運用も委託すると良いでしょう。
それ以後、大企業に成長した場合は、システムの管理やハンドリングを自社で行います。社内にシステム部門もしくはシステム子会社を設立し、自社独自性の高い戦略的なシステム開発を大手ITベンダに外注して運用していくとよいでしょう。
システム開発会社側の意見を総括すると、中堅規模まではシステム構築や管理は外注がおすすめです。起業当初であれば、Excelやファイルメーカーでの管理・運用、または一般的なパッケージソフトやフリーソフトの組み合わせて利用することから始めると良いと思います。
内製で良く耳にする困った話としては、以下の例が多く聞かれます。
・システム構築用に子会社を設立したが、上手くいかない。システム再構築と言っても子会社の設立に費用がかかり困難である。
・外注に切り替えたいが基幹業務だけに、大がかりな作業が発生する。
・安価な海外にオフショア開発を依頼したが、品質が悪かった。改修しようにも自社で対応ができないので結局費用が高く付いた。
・オフショアで開発は完了したが、構築メンバーが転職。保守や追加開発ができない状況に陥ってしまった。
・担当者の退職や、高年齢化による技術・体力低下で、システム仕様やソースがブラックボックス化してしまい困っている
システム開発が本業であればともかく、このような難しい状況をよく耳にします。だからといって、外注なら良いかというと別のリスクも発生します。
・月額派遣系のSESなどは、成果責任を全うできるのか?
・大手ITベンダは高額で中身は下請けに外注、そのコストは成果に見合うのか?
・システム構築後の保守体制は万全なのか?
など、事前に想定できるリスクは考えだせば、おわりがありません。
システムは人の手で構築するものです。実際に担当するシステムエンジニアのモチベーションと技術力の高さが大きく影響します。結局のところ、「クライアント企業の業務を理解し、この会社の為に良いシステムを創ろう。」と思う気持ちがとても重要です。
内製か?外注か?
非常に悩ましいことですが、最終的には各社の高度な経営判断に委ねるほかありません。
外注で検討される方への詳細は、こちら↓
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