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システム開発を依頼するなら押さえたい!依頼書作成から費用・流れを解説

システム開発を依頼するなら押さえたい!依頼書作成から費用・流れを解説

公開日:2025年12月2日

 

システム開発を外部に依頼する際、適切な準備と知識がなければコストや納期、品質で失敗するリスクが高まります。本記事では、依頼書の作成から全体の進行フロー、費用相場、開発手法の選び方、そして発注先の探し方まで、システム開発初心者でもわかりやすく解説します。複数社の比較検討を進め、スムーズで費用対効果の高いシステム開発を成功させましょう。

 

目次

1.システム開発依頼の流れとは?

開発依頼~契約締結の流れ

– 契約後の流れ

2.提案依頼書(RFP)の準備とポイント

– RFPを作成する目的とは?

– RFPに盛り込むべき主な項目

– RFP作成のポイントと注意点

– RFPを提出するタイミング

3.システム開発の費用相場と見積比較で失敗しないポイント

– 費用相場

– 見積比較で重視すべきこと

4.適切な開発手法の選び方

– ウォーターフォール型かアジャイル型か

– 開発手法が見積もりや納期に与える影響

5.信頼できるシステム会社はどう探すか

– WEB検索

– マッチングサイトやクラウドソーシング

– 紹介や展示会

6.契約前に確認すべき重要ポイント

– 請負契約と準委任契約の違い

– 契約書に含めるべき瑕疵担保責任

– 契約後のトラブルを防ぐための注意点

7.まとめ:システム開発依頼の要点総まとめ

8.システム開発の依頼はエイ・エヌ・エスへ

 

 

◆システム開発の単価とは何か理解しよう

プロジェクトの成功にはシステム開発の依頼の流れを理解することが必要不可欠です。開発依頼の初期段階から契約締結、さらに開発後の運用まで、一連の流れを把握することでスムーズなコミュニケーションが実現し、トラブルの防止にもつながるでしょう。ここでは開発依頼から納品、運用サポートまでの具体的な手順を解説していきます。

 

開発依頼~契約締結の流れ

まずはシステム開発の目的や要件を明確にし、それを基に提案依頼書(RFP)の作成を行います。RFPは開発会社に自社のニーズを正確に伝える重要な書類であり、これが基となって開発提案や見積もりが行われます。依頼する側は、複数社からの提案や見積もりを比較検討し、価格や開発方針、技術力をしっかり見極めることが欠かせません。

 

この比較段階ではただ価格だけを見るのでなく、開発手法や納期、そして過去の実績や開発体制も加味することが重要です。選定した開発会社と具体的な仕様について調整し、双方が納得できる内容にまとめたら契約に進みます。契約は請負契約が一般的で、明確に成果物や納期、費用、サポート内容を文書化することで後々のトラブルを防止できます。

 

また予算や納期の面で柔軟性が求められる場合は、準委任契約という人月ベースでの契約形態もありますが、これは成果物の保証がない点に注意が必要です。こうした契約の違いもあらかじめ把握しておきましょう。はじめの打ち合わせや見積もり提出がスムーズに進むよう、予め社内部署間でシステム開発の方向性や課題を整理しておくと伝達の誤りが少なくなります。

 

契約後の流れ

契約締結が完了したら、正式な開発工程に移ります。まずは要件定義から始まり、開発会社のシステムエンジニアと依頼者の双方で詳細な仕様のすり合わせを行うことが一般的です。ここが不十分だと仕様変更によるコスト増やスケジュール遅延につながるため、大切なフェーズといえます。

 

要件定義と設計が固まると、プログラマーによる本格的なプログラミングが開始されます。この期間中は単体テストや結合テストも随時行われ、担当者と開発会社との連絡を密にしながら問題点を洗い出して修正を繰り返します。アジャイル型開発であれば、機能ごとの開発とテストを短周期でこなすため柔軟で頻繁なコミュニケーションが求められるでしょう。

 

システムが完成し、それが満たすべき要件に達しているか依頼者側が検証する検収段階も重要です。万一納品物に問題があればこの時点で指摘し修正を依頼します。契約で瑕疵担保責任が明記されていれば、検収後も一定期間の不具合修正対応が期待できます。

 

その後は多くの場合、システムを実運用環境に移行し、ユーザー教育や運用サポート、定期的な保守対応が続きます。長期安定稼働を目指すには、開発会社との良好な信頼関係の構築が欠かせません。開発の成功には、全体の流れの理解や段階ごとの必要事項をしっかり押さえておくことが大変重要です。

 

 

◆提案依頼書(RFP)の準備とポイント

RFP(提案依頼書)はシステム開発を依頼する際の肝となる書類です。これを作成することで開発会社に正確なニーズを伝え、効率的に適切な提案や見積もりを受けることができます。その準備とポイントを見ていきましょう。

 

RFPを作成する目的とは?

RFPは、システム開発に必要な情報を包括的かつ具体的にまとめる文書です。これがあれば、開発会社が御社の現状の課題や業務の目的、システムに期待する役割を的確に理解しやすくなります。例えば、「営業支援ツールの導入で業務効率を年間10%向上させたい」「顧客管理を一元化しミスを減らしたい」などの目的意識を明記することで、無理や無駄のない提案を促せます。

 

またRFPは複数の会社に同時に渡されることが多いので、明確な標準仕様・要件を提示することによって見積もりの比較の公平性が保てます。結果的にただ安い価格競争になるだけでなく、実際の業務効率化や使いやすさを確保したコストパフォーマンスの優れた提案を選ぶことが可能になるのです。

 

さらに、契約締結までの段階で双方の認識を共有し、あいまいさによる手戻りや認識違いの減少に寄与する役割も果たしてくれます。つまり、事前準備としてとても大切なフェーズといえます。

 

RFPに盛り込むべき主な項目

良いRFPには、大きく分けて以下の要素が含まれていることが基本です。まずは「背景・目的」から始まります。具体的な課題や改善目標を簡潔に説明し、どんな背景でシステム開発をしたいのか示します。次に「要求機能と性能要件」です。開発したいシステムに求める機能の詳細や、おおよその業務フローを記述します。この中で必須機能(MVP)とオプション機能を区別すると、見積もり精度が向上します。加えて「対象ユーザー」「使用環境」などの利用前提条件の記載も忘れず記載しましょう。これにより使用感やセキュリティ基準が伝わりやすくなります。さらに、納期・予算範囲、契約形態や保守の要望など、プロジェクトの大枠に関する条件も含めておくと、スムーズに受注活動が進みます。最後に連絡担当者および評価スケジュールを示しておくことで、双方が共有すべき期限や連絡手段が明確になり、混乱を避けられます。

 

こうした情報が不足していると、必要な見積もりが得られなかったり、後書きの仕様変更につながるなどデメリットが増えます。

 

詳しく表にまとめましたのでこちらも併せてご確認ください。

 




RFPに盛り込むべき主な項目
※以下は、システム開発のRFPに最低限含めたい基本項目です。
項目 主な内容 ポイント・留意事項
背景・目的 ・現状の業務やシステムで抱えている課題
・今回のシステム開発で達成したい改善目標
・プロジェクトを実施する経緯・ビジネス背景
・「なぜこの開発が必要なのか」が簡潔に伝わるように記載する。
・専門用語を多用しすぎず、ベンダーにとって理解しやすい文章を心がける。
要求機能・
性能要件
・実現したい機能一覧と機能概要
・想定する業務フローや画面・操作イメージ
・必要な性能(応答速度、同時接続数など)
必須機能(MVP)
オプション機能
・必須とオプションを分けておくことで、見積もり精度や提案の幅が広がる。
・性能要件は「どの程度必要か」を定量的に書くとベンダー間比較がしやすい。
対象ユーザー ・利用する部門・職種・役割
・ユーザー数(現在と将来の想定)
・ITリテラシーレベルの目安
・ユーザー像を明確にすることで、UI/UX設計や導入後の教育計画が立てやすくなる。
・権限やロールが複数ある場合は、代表的なパターンを例示する。
使用環境・
前提条件
・利用デバイス(PC、タブレット、スマートフォンなど)
・対応ブラウザ、OS、ネットワーク環境
・社内外システムとの連携要件、セキュリティ基準
・利用環境の制約や、社内ルール(セキュリティポリシーなど)を明示しておく。
・クラウド/オンプレなどインフラに関する前提も可能な範囲で記載する。
納期・予算・
契約条件
・希望するリリース時期・マイルストン(要件定義完了、テスト開始など)
・想定する予算レンジ(上限・下限)
・希望する契約形態(請負/準委任など)
・保守・運用サポートの要望
・「必須の期限」と「望ましい期限」を分けて記載すると調整しやすい。
・予算感が共有されていると、現実的な提案・見積もりが得やすくなる。
評価方法・
スケジュール
・RFP配布〜提案書提出〜選定までのスケジュール
・プレゼンテーションや質疑応答の実施有無
・評価観点(価格、実績、技術力、体制など)の概要
・選定プロセスと期限を明確にすることで、双方のスケジュール調整がしやすくなる。
・評価観点を共有しておくと、ベンダーが重視すべきポイントを理解しやすい。
連絡先・
窓口情報
・RFPに関する問い合わせ窓口(部署名・担当者名)
・メールアドレス、電話番号などの連絡手段
・問い合わせ受付期間・ルール(質問締切日、回答方法など)
・窓口を一本化し、情報の行き違いや重複問い合わせを防ぐ。
・Q&Aの共有方法(全社配布、FAQ作成など)も決めておくと混乱を避けられる。
その他
前提・制約
・社内稟議・承認プロセスに関する前提
・法的・規制上の制約(業界ガイドラインなど)
・その他、提案の前提となる事項
・後から仕様変更や条件変更が発生しやすいポイントは、あらかじめ共有しておく。
・不確定な事項は「現時点の想定」として明記し、変更の可能性に触れておく。

 

RFP作成のポイントと注意点

RFP作成ではまず過度な専門用語の多用は避け、誰が読んでもわかりやすく書くことが基本です。あまりにも技術寄りになりすぎたり曖昧な記述になったりすると、対応が異なる複数社の比較が困難になります。どの程度まで詳細を書くかは、開発規模・内容と依頼社内の検討状況に応じて調整しましょう。明確な要件が決まっていない場合は、コンサルティングサービスの利用や最低限の必須要件だけを明確化して改善提案を受ける方法も検討しましょう。

 

また過剰に細かい仕様希望を書き入れると逆に開発の柔軟性や対応スピードが落ちることがあるため、要求の優先順位付けは大切です。RFPを作成し終えたら、依頼内部でもレビューや関係者確認を経て整合性を図りましょう。

 

最後に拡張性やメンテナンスの方針に関する期待なども盛り込むと、開発要件だけでなく、長期的な運用や成長戦略も視野に入れた検討ができるかと思います。

 

RFPを提出するタイミング

RFPは、課題が整理され要件の大枠が固まった段階で提出しましょう。早すぎると要件が曖昧なまま進行し、遅すぎると開発スケジュールが圧迫される原因になります。また、社内承認プロセスや予算確定の時期を踏まえて計画的に発行することで、スムーズなベンダー選定と精度の高い提案を得ることができます。

 

 

◆システム開発の費用相場と見積比較で失敗しないポイント

システム開発は比較的大きな投資になるため、費用の目安や見積もりの適正感はしっかりと把握したいところです。費用相場を知り、見積り比較のポイントを知ることは予算感を調整し、無駄を防ぐうえで必須となります。

 

費用相場

一般的にシステム開発の費用は、プロジェクトの規模や機能数、複雑性で大きく変動します。まず小規模なWebアプリ開発は100万円から500万円程度、中規模な業務システムなら500万から1,000万円ほどが目安です。大規模でエンタープライズ向けのシステムですと数千万円から数億円に達することも珍しくありません。

 

また、パッケージを利用する開発(既存ソフトウェアのカスタマイズ)は、新規開発のスクラッチより費用が抑えやすい一方で、自由度が低いことを理解しておく必要があります。総費用には設計、プログラミング、テスト、デプロイ、そして運用保守費用も含まれるため、およその内訳を把握しておくのが大切です。

 

さらに海外のオフショア開発を利用する場合、コストが下がる半面、言語や時差の課題及び品質管理に注意が必要となります。国内委託やフリーランスの費用レンジにも違いがあるので、相対比較で感覚をつかむのが良さそうです。

 






システム開発の費用相場(規模別の目安)
※あくまで一般的な目安であり、要件・品質・スケジュールによって増減します。
プロジェクト規模 費用相場(目安) 補足・特徴
小規模Webアプリ開発 約100万〜500万円 単一機能や限定的な業務支援など、小さめの範囲をターゲットとした開発。
中規模業務システム 約500万〜1,000万円 複数の業務機能を持ち、部署横断で利用するケースが多い。
大規模・エンタープライズ向け 数千万円〜数億円規模 全社基幹システムや大規模トランザクションを扱うシステムなど、高い信頼性・拡張性が求められる。
費用感の傾向 傾向のまとめ パッケージカスタマイズはスクラッチ開発より抑えやすい一方で自由度は低め。
オフショア開発はコストを下げやすいが、言語・時差・品質管理への配慮が必要。

 

見積比較で重視すべきこと

見積りを比較する際に重視したいポイントはいくつかあります。まず見積もりの「詳細な内訳」が明確であるかを確認しましょう。単なる「一括いくら」という報告だと、どうしてその費用になったのか判断しにくくトラブルの種になります。設計や開発、テスト、運用保守費用がそれぞれ何にいくらかかるのかが見えることが重要です。

 

次にエンジニアの単価や工数の妥当性も忘れてはなりません。高い技術力が必要なのに人件費を過小評価している場合や、逆に明らかに高額な場合は、それぞれリスク因子となります。開発スキルや経験値を踏まえ、必要な品質を保てるかどうか判断の材料にしましょう。また注目すべきは見積のみではありません。契約内容、保守やアップデートの費用の有無、スケジュールに遅れが生じた場合のペナルティ条項など契約条件も綿密に比較した上での検討が大切です。複数社との相見積もりにより、過剰な価格差や仕様の不一致をしっかりと確かめて、より実務に即した提案を探るのが賢明といえるでしょう。また、多少費用が高くても、コミュニケーション体制が整っているか、打合せを通して印象が良かったか、なども判断材料に入れて選定することで、後々のトラブル回避や運用面でメリットが得られやすいです。

 

 

◆適切な開発手法の選び方

開発手法はプロジェクトの成功やコスト・納期に大きな影響を及ぼします。目的やシステムの性質、リソースに応じて最適な手法を選ぶことが重要です。ここでは代表的な2つの手法を中心に解説します。

 

ウォーターフォール型かアジャイル型か

ウォーターフォール型は、あらかじめ要件定義から要素設計、開発、テスト、納品までの工程を順に確実に完了させていく方法です。計画が明確に立てられ、管理のしやすさや成果物の追跡が容易な点がメリットです。一方で、初期段階で定めた要件が固定されるため、途中での大幅な変更は難しく、変更があればコストやスケジュールの増大につながります。

 

対してアジャイル型は、仕様を小さく切り分けた単位で繰り返し開発とテストを反復しながら、段階的に完成へ近づけていく方法です。依頼者も途中の成果物を随時確認し、優先順位を変更するなど柔軟に対応できるため、変化の多い要件や競争力強化を急ぐ環境に向いています。ただし、頻繁な情報共有や進捗管理が必要になるため、開発関係者が綿密にコミュニケーションを取る体制が求められます。

 

選択のポイントはシステムの規模や安定した仕様か変動するか、また開発期間や社内リソースの状況に適した手法を見極めることにあります。

 

開発手法が見積もりや納期に与える影響

開発手法は費用と納期に大きく関係します。ウォーターフォール型は計画が固まっているため全体のスケジューリングを立てやすく、コスト見積もりも比較的安定します。しかし不確実性が多い要件の場合、途中での仕様変更リスクによって追加費用や遅延を招くケースも少なくありません。

 

一方でアジャイル型は大きな初期投資が少なく、段階的に機能追加が可能なため、初回納品(MVP)までのスピードが速いのが特徴です。とはいえ、反復開発の過程で修正回数が増えれば追加工数がかかるのでトータルコストは膨らみやすくなります。納期も段階的に伸びるケースがあります。

 

したがって見積時は、その開発方法に対応できる開発会社かという点も評価基準に組み入れたうえで、納期希望や予算とのバランスを取ることが必要です。複数の開発会社から手法の違いについて説明を受けて、合致する選択をするのが良いでしょう。

 

 

◆信頼できるシステム会社はどう探すか

理想のシステム会社探しは、偏った探し方に頼らず複数の手段を組み合わせるのが賢明です。

 

WEB検索

最も手軽にできるのがWEB検索です。多くのシステム開発会社は自社サイトで開発実績や主要取引先、対応分野を公開しています。実績や技術領域、保有する資格などをチェックし、自社要件と合致するかを確認しましょう。

 

ただし、自社サイトはマーケティング面を重視した情報になりやすいため、事例の質やフィードバックは口コミや別の情報源も参考にするのが無難です。サイト上で複数社の料金や年間実績、主要技術比率を比較し、目星をつけましょう。

 

電話やメールによる問い合わせで対応の早さやコミュニケーションの質を試すのもおすすめです。未経験の依頼者に向けて質問回答の丁寧さは信頼度に直結します。

 

マッチングサイトやクラウドソーシング

マッチングサイトやクラウドソーシングは、多様なスキルや会社規模の開発者に短期間でアクセス可能なメリットがあります。プロジェクト規模が小さい場合や試作品の製作には特に有効です。

マッチングサイトは複数の会社の料金や評価、過去実績などを手軽に比較できる点で効率的で、最近はAIを活用し最適な提案先紹介を行うところも増えています。

一方、クラウドソーシングを利用すると個人フリーランスへ直接発注できる利点がありますが、開発監督は依頼側が主体的に行う必要があり、中大規模プロジェクトには向きません。また、品質がばらつくリスクも理解しておきましょう。

 

紹介や展示会

信頼性や実績・サポート面を重視するなら知人や企業からの紹介を受ける方法も有効です。過去に同様の開発実績がある事業者がわかるため、安心感があります。しかし、紹介先が必ず貴社の要望に合致するとも限らず選択肢が狭まるデメリットもあるため他の手段と並行して使うのが得策です。

 

またIT関連の展示会やセミナーに足を運べば、出展会社の技術力や対応姿勢を実際に確かめられる機会があります。開発サービスの新しい潮流を掴める点もポイントです。ただし、参加や出展したからといって信頼性や品質が保証されるわけではないので、継続的フォローには注意しましょう。

 

 

◆契約前に確認すべき重要ポイント

 

発注の最終段階である契約締結は、しっかりと中身を吟味して慎重に臨みたいフェーズです。ここでは、その際に必ず確認しておきたいポイントを挙げていきます。

 

請負契約と準委任契約の違い

システム開発依頼において主に使われる契約は「請負契約」と「準委任契約」です。請負契約は、開発会社が成果物を完成させ納品する義務を負い、そのシステムが契約通りの機能を持つかの責任を伴います。万一本来の仕様と異なる場合は無償修正を求められる「瑕疵担保責任」も一般的に付随します。

 

対して準委任契約は、一定期間の人材派遣や技術提供をベースにしており、作業時間単位または人月単位で報酬が決まる形態です。この場合、成果物自体の完成義務はありませんし仕様遵守も原則ありません。仕様変更に柔軟対応できますが、成果物発注時の保証が薄いため、要件が曖昧な場面や運用支援で採用されることが多いです。

 

これらの違いはコスト構造だけでなく、リスクやトラブル対応体制に大きく影響します。自社の要望内容やプロジェクトの特性をふまえて適切な契約形態を選びましょう。

 

契約書に含めるべき瑕疵担保責任

瑕疵担保責任とは、成果物に欠陥や不具合が見つかったときに、依頼者が一定期間内に無料で修繕を求められる制度のことを指します。これは請負契約の要となる部分であり、システム開発契約書に明確に記載しておくべき項目です。

 

瑕疵担保期間の長さや範囲はトラブル防止の観点から要調整ですが、一般的には納品後3ヶ月から6ヶ月程度が多く、有料サポートとは区別されています。また、不具合通知のタイミングや修繕要請方法についても具体的に定めておくのが良いでしょう。

 

契約書にこの条項を記載しないままだと、初期不具合時の補修追加コストが発生しやすいため、大きなリスクとなります。実務では開発会社とクリアな取り決めを交わし、予期せぬ追加費用を避けつつ双方で信頼できる体制を築くための基盤になります。

 

契約後のトラブルを防ぐための注意点

契約締結後もトラブルは発生しやすいものです。よくあるのは広告で謳う技術力や納期まで保証されていなかった、追加仕様変更による費用負担が想定外だったなどのケースです。こうした事態を避けるため、契約時に想定しうるリスクや仕様変更、追加費用、納期遅れ時の措置、クラウドサーバの管理など詳細条件を拘束力のある形で明文化することが必須です。

 

また、開発進行時には定期的に報告会や成果物確認を行い、仕様のずれや軌道修正を素早く行うための体制づくりも必要です。開発途中でコミュニケーションが途切れないよう、プロジェクトにかかわるすべての関係者同士、緊急連絡先や連絡手段の共有をしておくと安心です。さらに、データの取り扱い、知的財産権の帰属など機密保持条項の厳格化も重要なポイントです。特にクラウド連携や外部API利用のあるシステムではセキュリティレベルや情報漏えい責任を明確にすることが後々の安心感につながります。

 

以上のことを契約前に整備することで、相互に信頼しリスクを最小限にしつつ、高品質なシステム開発を遂行できます。

 

◆まとめ:システム開発依頼の要点総まとめ

システム開発の依頼は、単に発注書を出せば良いだけではありません。最初に依頼先とトラブルを防ぐための提案依頼書(RFP)を丁寧に作成し、自社の目的や必要な機能、予算・スケジュールを整理したうえで複数の開発会社から最適な提案を募ることが重要です。その比較では単なる価格だけでなく、実績や技術力、開発手法、契約内容をしっかり確認しましょう。

 

また、ウォーターフォール型とアジャイル型の特徴を理解し、プロジェクトの特性にあった手法を採用することで、納期や費用の管理が滞りにくくなります。開発会社の探し方はWEB検索やマッチングサイト、さらには信頼できる紹介など幅広く選択肢を検討し、複数視点から判断することが失敗しないコツです。

 

特に請負契約か準委任契約かの契約形態を理解し、瑕疵担保責任の所在を明確にしてから契約書を締結すれば、システムトラブル時も安心です。開発後の保守や運用サポートの体制も事前に確認しておくようにしましょう。

 

初めてシステム開発を依頼する方にとってはハードルの高さを感じるかもしれませんが、正しいステップを踏んで準備することで、より満足度の高いシステム開発につながります。

 

 

◆システム開発の依頼はエイ・エヌ・エスへ

株式会社エイ・エヌ・エスは、オーダーメイドの基幹システム開発を主軸に、創業35年以上にわたり多様な業界・業種のシステム開発に携わってきました。
スクラッチ開発による柔軟なカスタマイズ対応に加え、既存システムの再構築や運用支援、保守引継ぎサービスなど、上流から下流まで一貫した体制で企業のIT基盤を支えています。

 

 

 

エイ・エヌ・エスは、上流工程の確実な支援を通じて、企業のIT資産を未来へつなぐパートナーとして伴走いたします。
検討段階でも、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

 

  • 株式会社エイ・エヌ・エス 取締役

    システムインテグレーション事業部 第2グループ長 プロジェクトマネージャー

    K.K

    1996年、株式会社エイ・エヌ・エスに入社。
    入社後、SEとしての技術力と営業力を磨き、多くのプロジェクトに参画。
    要件定義から設計・開発、運用まで、上流から下流工程を幅広く経験する。
    現在はプロジェクトマネージャーとして、大規模プロジェクトを数多く成功に導く。
    「システムの導入効果を最大限感じてもらうこと」をモットーに、
    顧客特性に応じた最適なシステム提案を心がけている。



 

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