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アジャイル開発とは?ウォーターフォール開発との違いとメリットを解説

アジャイル開発とは?ウォーターフォール開発との違いとメリットを解説

公開日:2024年12月25日 更新日:2026年1月6日

 

システム開発にはさまざまな手法が存在します。プロジェクトの規模や納期、開発したいシステムの特性に応じて、最適な開発手法を選ぶことが成功の鍵です。本コラムでは、近年多くの企業で採用されるアジャイル開発に焦点を当て、従来のウォーターフォール開発との違いや、それぞれのメリット・デメリット、導入のポイントについて詳しく解説します。

 

目次

1.アジャイル開発とは?柔軟で迅速な開発手法の特徴

– アジャイル開発の基本的な流れ

– アジャイル開発とウォーターフォール開発の違い

– アジャイル開発が向いているプロジェクトとは

2.アジャイル開発のメリット

– 1. 柔軟かつスピーディーな開発が可能

– 2. ユーザーの要望に応えやすい

– 3. リスクの早期発見

– 4. チームのモチベーション向上

3.アジャイル開発のデメリットと注意点

– 1. ゴールが曖昧になりやすい

– 2. 計画的な進行管理が難しい

– 3. チームの役割分担が重要

– デメリットを軽減する方法

4.お客様の要望に最大限応えるシステム開発

 

 

◆アジャイル開発とは?柔軟で迅速な開発手法の特徴

「アジャイル(Agile)」という言葉は、日本語では「俊敏な」「素早い」といった意味を持ちます。システム開発やソフトウェア開発において、アジャイル開発とは、この言葉の通り変化に迅速に対応できる開発手法を指します。従来型の開発手法と異なり、アジャイル開発は小さな単位での実装とテストを短いサイクルで繰り返しながら、プロジェクトを段階的に完成させていくことが特徴です。

 

アジャイル開発の基本的な流れ

アジャイル開発では、従来のウォーターフォール開発のように「上流工程から下流工程へ一方通行で進む」やり方ではなく、短いサイクルで複数の工程を繰り返すことが重要です。典型的なアジャイルのサイクルには、次のような工程があります。

 

1.要件定義

まずは最小限の機能や仕様を決定します。すべての要望を初期段階で詳細に決めるのではなく、まずは基本的な要件を定めることがポイントです。この段階では、ユーザーやクライアントとコミュニケーションを取りながら、必要最低限の機能を明確化します。

 

2.設計

要件定義をもとに、システムや機能を実現するための設計を行います。設計といっても詳細に固めすぎず、スプリントごとに柔軟に変更できるようにしておくことが重要です。例えば、画面設計やデータベース構造の基本形を決め、必要に応じて改修可能な設計にしておきます。

 

3.開発・実装

実際にコードを書き、機能を構築します。ここでは、短い期間で完了する単位に分けて実装を進めることがポイントです。小さな単位での実装を重ねることで、早い段階で動作確認が可能になり、問題の早期発見につながります。

 

4.テスト

開発した機能が正しく動作するかを確認します。アジャイル開発では、各サイクルでテストを実施するため、不具合や仕様漏れが早期に発見できます。これにより、大規模リリース前に問題が積み重なるリスクを抑えることができます。

 

5.レビュー・改善

開発した機能をユーザーやクライアントに確認してもらい、フィードバックを反映します。この段階で仕様変更や機能追加の要望を取り入れ、次のサイクルに反映させます。こうした段階的な改善を繰り返すことで、システムを少しずつブラッシュアップしていくのがアジャイル開発の特徴です。

 

アジャイル開発とウォーターフォール開発の違い

アジャイル開発の特徴を理解するためには、従来型のウォーターフォール開発との違いを知ることが重要です。ウォーターフォール開発は、上流工程から下流工程へ順序立てて進める手法で、「要件定義→設計→開発→テスト→リリース」という流れが固定されています。そのため、開発途中での大きな仕様変更には対応しにくく、変更が発生するとコストや工数が大幅に増える傾向があります。

 

一方で、アジャイル開発は変更を前提とした柔軟な手法です。短い開発サイクルで要件定義、設計、実装、テスト、レビューを繰り返すことで、ユーザーやクライアントからのフィードバックを素早く反映できます。このため、競争の激しいアプリ開発やWebサービス開発など、リリース後に仕様変更や機能追加が頻繁に発生するプロジェクトに適しています。

 

さらに、アジャイル開発では、開発途中で問題や不具合を早期に発見できるため、リリース後のトラブルを最小化できる点も大きなメリットです。ウォーターフォール開発では、テストやレビューが後半に集中するため、問題の発見が遅れ、修正に多くの時間やコストがかかることがあります。

 

 




 

 

項目 ウォーターフォール開発 アジャイル開発
進め方 上流→下流へ順序立てて開発 短いサイクルで反復的に開発
変更対応 途中変更に弱くコスト増大 変更前提で柔軟に対応可能
テスト・レビュー 後半に集中し問題発見が遅れがち 開発途中で問題を早期発見可能
向くプロジェクト 要件が固定で大規模なシステム 頻繁な仕様変更・機能追加があるWeb/アプリ開発
ユーザー関与 関与は初期要件定義時のみ フィードバックを頻繁に反映

ウォーターフォール開発の流れ
1
要件定義
2
設計
3
開発
4
テスト
5
リリース
アジャイル開発のサイクル
1
要件定義・設計・実装・テスト・レビュー
2
短期間のスプリントで繰り返し
3
フィードバック反映

 

アジャイル開発が向いているプロジェクトとは

アジャイル開発は、仕様が流動的で変更の可能性が高いプロジェクトに向いています。具体的には、次のようなケースです。

 

・Webサービスやスマートフォンアプリ開発

リリース後のユーザーの反応や利用状況に応じて機能を改善・追加する必要がある場合。

 

・業務システムのオーダーメイド開発

ユーザーの業務フローに合わせて段階的に機能を実装し、運用しながら改善していく場合。

 

・スタートアップや新規事業開発

初期段階では仕様が固まっていないが、市場やユーザーの反応に応じて迅速に方向性を変える必要がある場合。

 

逆に、再構築プロジェクトや既存システムのバージョンアップなど、仕様が完全に確定している場合は、ウォーターフォール開発の方が効率的でミスが少ないことがあります。

 

 

◆アジャイル開発のメリット

 

アジャイル開発は、短期間のサイクル(スプリント)を繰り返すことでシステムやソフトウェアを段階的に完成させていく手法です。この特徴により、従来のウォーターフォール開発と比べて多くのメリットがあります。ここでは、アジャイル開発の主要な利点を詳しく解説します。

 

1. 柔軟かつスピーディーな開発が可能

アジャイル開発の最大の特徴は、柔軟性と迅速性です。スプリントは一般的に1~2週間程度で設定され、短期間で機能を実装・テストし、フィードバックを反映して次のサイクルに進むため、変更や不具合への対応が非常にスピーディーです。

 

例えば、新規アプリの開発中にユーザーから「操作画面が直感的でない」との指摘があった場合、次のスプリントでUIを改善し、テストやレビューを経て即座に反映できます。このように、ユーザーの要望や市場の変化に対して迅速に対応できることは、競争の激しいWebサービスやモバイルアプリ開発において大きな強みとなります。

 

一方、ウォーターフォール開発では、テストやレビューが開発後半に集中するため、途中での仕様変更や不具合修正に多くの時間とコストがかかります。アジャイル開発では、このようなリスクを事前に低減できる点も大きなメリットです。

 

2. ユーザーの要望に応えやすい

アジャイル開発では、開発の各サイクルでユーザーやクライアントと綿密にコミュニケーションを取り、フィードバックを反映する仕組みが整っています。そのため、途中で仕様変更や新機能追加の要望が出ても柔軟に対応可能です。

 

例えば、ECサイトの開発において「商品の検索機能を改善したい」というユーザーの声が途中で上がった場合、次のスプリントで改修を実施できます。これにより、リリース後すぐにユーザーの満足度を向上させることが可能です。ウォーターフォール開発では、一度設計工程を終えた後に変更を加えると、影響範囲の調査や再設計が必要となり、工数とコストが大幅に増加します。

 

さらに、アジャイル開発ではユーザーと開発チームの距離が近いため、ユーザーの潜在的なニーズや市場のトレンドも早期に把握できます。これにより、よりユーザーに寄り添ったシステム開発が実現可能です。

 

3. リスクの早期発見

アジャイル開発では、テストやレビューを各サイクルで実施するため、問題やリスクを早期に発見できる点も重要なメリットです。セキュリティ上の脆弱性やパフォーマンス上の問題、バグなども小さい単位で検出できるため、プロジェクト全体の品質向上につながります。

 

例えば、業務システムの開発で、データベース設計に不備があった場合も、早い段階で修正することが可能です。このように初期段階でリスクを把握できることで、大規模リリース前のトラブルを防ぎ、開発コストやスケジュールの遅延を最小化できます。

 

4. チームのモチベーション向上

アジャイル開発では、短い期間で成果が可視化されるため、開発チームの達成感やモチベーションが高まる点も大きなメリットです。スプリントの終了時には、開発した機能がユーザーに評価されるため、チームメンバーは自身の貢献を実感できます。

 

また、アジャイルではチーム内のコミュニケーションが活発化するため、知識共有やスキルアップにもつながります。開発メンバーが互いにレビューを行い、問題解決に協力することで、チーム全体の技術力やプロジェクト対応力も向上します。

 

さらに、アジャイル開発では役割分担が明確でありながら自律性も尊重されるため、メンバー一人ひとりが責任を持って作業に取り組む文化が醸成されます。この結果、プロジェクト全体の効率性とチームワークが同時に高まります。

 

 

アジャイル開発は、このように柔軟性、スピード、品質向上、チーム力強化といった多くのメリットを備えた開発手法です。特に、仕様変更が多いプロジェクトやユーザーの反応を重視するサービス開発において、アジャイルの強みを最大限に活かすことができます。

 

 

◆アジャイル開発のデメリットと注意点

一方で、アジャイル開発には注意点もあります。

アジャイル開発は柔軟性やスピードの面で大きなメリットがありますが、一方で注意すべきデメリットや課題も存在します。アジャイルを導入する際には、これらの特性を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

 

1. ゴールが曖昧になりやすい

アジャイル開発では、初期段階で仕様を細部まで決めずに、最低限の要件を設定して開発を開始することが多いです。このため、プロジェクト全体の方向性や最終的なゴールが曖昧になりやすく、開発の途中でブレが生じる可能性があります。

 

例えば、Webサービスの新機能開発において、ユーザーからのフィードバックを反映するあまり、次第に当初の目的とは異なる機能が優先されてしまうことがあります。こうした状況では、プロジェクト全体の完成イメージが不明瞭になり、開発効率や品質に影響が出ることがあります。

 

2. 計画的な進行管理が難しい

アジャイルはスプリントごとに短期的な目標を設定して開発を進める手法であるため、プロジェクト全体のスケジュールや納期の確定が後半まで難しいという特性があります。特に大規模プロジェクトでは、複数のスプリントが並行して進むこともあり、進行状況の把握や調整が難しくなる場合があります。

 

例えば、業務システム開発で複数のチームが異なる機能を開発している場合、各チームのスプリントの進捗に依存して他の機能の実装やテストスケジュールが変動することがあります。このため、プロジェクトマネージャーはスプリントレビューやデイリースタンドアップミーティングを活用して進捗を可視化し、リスクを早期に把握する必要があります。

 

3. チームの役割分担が重要

アジャイル開発は、チームメンバーが自律的に作業を進めることを前提としています。そのため、プロジェクトマネージャーだけでなく、開発メンバー一人ひとりの責任範囲や役割を明確にすることが欠かせません。

 

例えば、フロントエンド、バックエンド、テスト担当、デザイン担当などがそれぞれ自律的に作業を行う場合、役割が曖昧だと作業の重複や漏れが発生しやすくなります。また、レビューやフィードバックのタイミングが不明確だと、品質のばらつきや納期遅延のリスクも高まります。こうしたリスクを避けるために、スプリント開始時にタスクと責任者を明確化し、チーム全員で進捗状況を共有することが重要です。

 

デメリットを軽減する方法

アジャイル開発のデメリットは、適切なプロセス運用とコミュニケーションにより軽減可能です。具体的には以下のような取り組みが有効です。

 

・ゴールの共有:プロジェクト開始時に全体像や最終目標をチーム全員で共有し、各スプリントの成果物がその目標に沿うよう意識する。

 

・スプリントごとのレビュー:定期的にスプリントレビューを行い、進捗状況や課題を確認。必要に応じて優先度やタスクを調整する。

 

・進捗管理の徹底:デイリースタンドアップミーティングやタスク管理ツールを活用し、チーム内の作業状況を可視化する。

 

これにより、アジャイル特有の柔軟性を保ちながらも、プロジェクトの方向性のブレや納期遅延、役割の不明瞭さといったリスクを最小化できます。

 

 

◆お客様の要望に最大限応えるシステム開発

 

アジャイル開発は、ユーザーとのコミュニケーションを重視するため、急な仕様変更や機能追加に柔軟に対応可能です。エイ・エヌ・エスでは、UI/UXの観点からユーザー中心設計を行い、操作性の高い業務システムを構築しています。

また、オーダーメイドで自由度の高いシステムを提供することで、お客様のニーズに最大限応えています。システムやデザインに関するお悩みは、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

  • 株式会社エイ・エヌ・エス 常務取締役

    システムインテグレーション事業部 第1グループ長 プロジェクトマネージャー

    H.W

    1989年、株式会社エイ・エヌ・エスに入社。
    入社後、SEとしての技術力と営業力を磨き、多くのプロジェクトに参画。
    要件定義から設計・開発、運用まで、上流から下流工程を幅広く経験する。
    現在はプロジェクトマネージャーとして、大規模プロジェクトを数多く成功に導く。
    「システムの導入効果を最大限感じてもらうこと」をモットーに、
    顧客特性に応じた最適なシステム提案を心がけている。



 

 

 

 

 

 

 

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